その日の仕事は残っていた残務を片付けることに終われ、結局残業3時間。
でも明後日から休めるという安堵が気持ちを支えてくれた。
夜10時ころ。
持ち場にはオレ一人。
そこに折り合いの悪い直属の上司が来た。
コート着てかばん持ってる。
あれ?今日朝番でもう帰ったんじゃ・・・?
まだ居たんだ・・・
どうやらオレが休職するためシフト表の変更をしてたみたいだ。
あー今まで散々迷惑かけたけど、最後までかけまくったなあ。
足を引っ張って申し訳ないです。
でも言葉にできない。
もう今まで謝り続けてきたからもう謝罪の言葉が出てこないんだよ。
つーか、休職の話、順序フッ飛ばして上の上司に言ったの怒ってるだろな。
しばし無言の二人。
顔が見れない。
横目で見ると彼の表情は険しい。
空気が重い。
オレの心も重い。
落ち込む。憂鬱。ブルー。
沈黙を破る言葉。
上司「・・・・おい、とりあえずシフト変更しといたから」
オレ「はい、すいませんでした」
上司「・・・・おまえ、弱くなってどうすんだよ。」
オレ「はい」
上司「病気になったのはしょうがないから、休んでまた出て来い」
オレ「・・・はい」
上司「いいか、絶対だぞ。2週間後絶対戻って来い」
オレ「・・・・・」
上司「わかったな」
オレ「・・・はい」
上司は去っていく。
この人、人間的にはあまり好きになれなかった。
手を抜くところがあったり、仕事マル投げしてきたり。
わけわからない仕事押し付けられてフォロー一切ないってこともあった。
人によって態度変えたり、機嫌不機嫌の波が激しかったり。
しかし仕事に関しては、厳しく妥協は一切しない。
運営管理、売上管理、人の管理、、、すべて正確に掌握していた。
次に何をすべきか、成績を上げるためにどうすればよいかをわかっていた。
上の人間にもウケは良く信頼されている。
要領よくこなし残業はほとんどしない。
仕事の姿勢には見習う点は多々あった。
症状が出る前はオレと上司の間はそこそこいい関係だった。
少なくとも信頼関係はあった。
それが耳鳴りが出だしたあたりからオレがミスしまくり関係悪化。
「オマエにはもう期待しない」と言われたこともあった。
話しない、目合わせない日々。つらい。
うつ病と診断され明後日から休職するダメなオレ。
そのオレに、ミスしまくってここまで堕ちたオレに、戻って来いと言ってくれた。
泣きそうになる。
というかもう泣けた。涙が止まらん。
上司を追いかけた。
出口付近で後姿を発見。
引き止めるが、そのあと言葉が続かない。
オレ「あの、、オレ、、迷惑かけて・・本当に申し訳ありません。。」
あー、言葉が出ない。思い浮かばん。
もっというべき言葉があるはずなのに。
こみ上げる思いを外に吐き出せない。
気持ちがむなしくカラ回りする。
上司「いいよ。ゆっくり休め。」
上司の表情は穏やかだった。笑ってる。
久しぶりに見たよその表情。
上司は外に出た。
闇夜に雪がちらつく。

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